財産は後継機「はやぶさ2(仮称)」へ 太陽系の大航海時代幕開け(産経新聞)

 小惑星探査機「はやぶさ」の壮大な旅がついに終わった。上空で機体は燃え尽き、小惑星「イトカワ」での土壌サンプル採取の成否は現時点では不明だが、はやぶさが日本の宇宙開発に残した“財産”はとても大きい。

 「小惑星の土を持ち帰る」。世界初の挑戦的な構想が浮かんだ平成4年ごろ、成功を確信する関係者は少なかった。それでも提案は認められ、約127億円という探査機としては低予算で機体を完成させた。

 はやぶさは小惑星探査という科学的な目的だけでなく、電気推進のイオンエンジンや自律航行技術などを検証する工学実験機でもあった。投入された技術の多くは独自に開発された。それらは将来の探査に役立ち、イオンエンジンの長時間運転や小惑星での離着陸といった成果は今後に受け継がれる。

 約7年間の飛行はトラブルの連続で「もうだめか」と思わされる瞬間もあった。その度に技術者の機転と粘り強い運用管制で乗り越えた。想定した目標を達成したこと以上に、想定外の苦難を乗り越えた経験は自信につながる。特に、現場で立ち会った若手研究者・技術者らに大きな刺激となっただろう。

 それらの財産は既に、後継機「はやぶさ2(仮称)」へと生かされつつある。文部科学省やJAXAの首脳も計画実現に前向きで、来年度予算に盛り込まれれば26年にも別の小惑星に向けて旅立つという。

 世界の宇宙探査は水星や火星、木星など月よりも遠くを目指す時代を迎えている。日本も、5月に金星に向けて探査機「あかつき」と太陽光の微弱な圧力で進む世界初の宇宙ヨット「イカロス」を船出させた。

 はやぶさは、惑星探査をリードしてきた米国、ロシアも及ばない実績を残した。日本は自信を持って、太陽系の「大航海時代」に乗り出すことができる。(小野晋史)

【関連記事】
豪州の砂漠に着地 「はやぶさ」の回収カプセル発見
漆黒の夜空に一筋の輝き はやぶさ、30秒間の凱旋
乗り越えた試練に安堵 拍手で喜ぶ「はやぶさ」管制チーム
「アポロ13号に匹敵」 科学技術ジャーナリストの中野不二男さん
カプセルが帰還、大気圏に再突入 小惑星探査機はやぶさ

<参院選>河村票取り込め 各党、市長人気無視できず(毎日新聞)
介護用品で死亡事故2件(医療介護CBニュース)
菅首相 沖縄県知事と15日に会談(毎日新聞)
ゲームプラットフォームの未来、「セルフィちゃんねる」の挑戦(Business Media 誠)
「素晴らしく、見飽きない星」=毎日リハビリ、体調は万全―野口さん、米で会見(時事通信)
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。